この骨は一体?

よく見てください、これは骨です。

この骨は一体なんだろう?何かに使うものなのか?いや、オブジェなのか、、、?と不思議が渦巻くこの骨の正体は、実は、パン焼きにも、実際に肉を巻いてかぶりつくこともできるというマンガ肉再現ツールなのであります。

マンガ肉風のおいしいパンも作れる

マンガ肉再現ツールの使い方はこうです。例えば、磁器製の骨の周りにパン生地を巻きつけてオーブンで焼くことで、まるで漫画に出てくるような骨つきお肉の雰囲気を再現することができます。

豪快に骨つき肉にかぶりつきたいという、誰もが一度が思ったことがあるだろう夢を実現することができます。もちろん、パンではなく、肉を巻きつけてかぶりつくこともできますよ!

不思議はまだ終わりません。これまた首をひねってしまうのが、「carne vale ~肉よ、さらば~」というこのプロダクトの名前。デザイナーである水口奈美さんにその由来を伺うと、こういうことなのです。

まず水口さんの脳裏に謝肉祭のイメージが浮かんできたと。謝肉祭ではプチ断食をして肉を食べないのだそうですが、それが肉の代わりにパン焼きにも使えるこの骨のプロダクトの名前にちょうど良いじゃないかと考えました。

謝肉祭のことをラテン語ではcarne vale(カルネバーレ)、日本語に訳すと「肉よ、さらば」という意味になることから、これがこの謎の骨に名付けられたということです。

理科系デザイナーは骨がお好き

それにしても、なぜ水口さんは骨のプロダクトなんて作ってしまったんでしょうか。一言で言うと、骨が大好きなんです。本当に。

もともとは恐竜などの化石に興味があったという水口さん。休日には化石を見つけるために一人で山に掘りに行くことがあるそうです。そこでは、貝殻や植物の化石を実際に見つけたとか。

他にも、博物館に行って、大ナマケモノの骨を見に行って興奮したり、映画「2001年宇宙の旅」で類人猿が骨をポーンと空に放り投げて、それが宇宙船に変化するシーンがあるのですが、そのシーンが印象的でずっと頭の隅にその記憶があったりしたそうです。

「2001年宇宙の旅」で類人猿が骨をポーンと空に放り投げるシーンのイメージ

そんな水口さんが骨にまつわるプロダクトをデザインするのは、もう時間の問題でした。ある日、アニメ「ギャートルズ」を思い出し、「骨付きマンモス肉をめっちゃ食べたい」とふと思ってしまったのです。ギャートルズの中では骨付きのマンモス肉を豪快に食べるシーンがあるのです。

普通の人ならば、「あー、あのアニメ懐かしかったなー」の思い出で済みます。水口さんはそこで終わりません。骨への好奇心が爆発してしまったのです。

実際に骨つきマンモス肉を再現しようとします。始めは牛や豚の骨を探したのですが、あまりに形がゴツくて断念しました。また、ダチョウの骨は長過ぎ、タヌキの骨は小さ過ぎました。

最終的に参考にしたのは人間の解剖図鑑でした。あまりに忠実に骨の形を再現すると見た目がちょっと気持ち悪くなるだろうということで、ある程度デフォルメして小刀で石膏を削って原型を作りました。

小刀で削って作った骨の原型

デフォルメしたとはいいつつ、大腿骨が骨盤や膝のジョイントにはまって回る部分の形など、専門家が見ても骨の特徴をよくつかんでいると言われたそうです。なので、単にヒトの大腿骨のオブジェとしてもオススメできます。(笑)

小学生、独学で土器を作る

子供の頃に観察した太陽と日陰の関係。当時から自然への関心が高かった。

そんな理科系デザイナーの水口さんは小さい頃からその片鱗を覗かせていました。小学生のとき、家の周りを掘って粘土質の土をこねてお椀を作り、それを焚き火で焼いて、いわば素焼きの食器を作ってしまったのです。誰にも習わずに、独学と勘だけで。

素焼きをしたお椀を布で磨くとピカピカになり、嬉しくなった水口さんは学校の先生に見せましたが、先生に「へーすごいねー」とだけ言われてスルーされたことがとても悲しかったそうです(笑)また、ザリガニを捕まえて焚き火で焼いて食べたり、ワイルドな行動力と勘を持ち合わせているのが水口さんです。

重要なときは勘

そんな水口さんなら持ち前の行動力と勘で、社会人になってすぐにデザイナーになったのかと思えば、人生摩訶不思議なもので高校卒業後は全く異分野に就職して働きます。

9年間が過ぎた後、もともと絵を描いたり、ものを作ったりするのが好きだった水口さんは、ふと、「私、何しているんだろう」と立ち止まります。その足でそのまま書店へ行き、デザイン雑誌を開き、たまたま目に留まった金沢のデザイン学校の見学に行くことをその場で決めます。「重要なときには迷わない」の水口さんのポリシーが発揮された瞬間です。

プロダクトデザインの勉強のため、金沢の専門学校に2年間、オランダのデザインアカデミーに3年間通い、その後ロンドンのデザイン事務所に半年務めました。

重要な決断は勘と行動力で乗り切るのが水口さんらしいです。

気になる骨の作り方

さて、骨の作り方ですが、まず骨の原型は石膏から、ノコギリと小刀と彫刻刀を用いて2日間かけて削りだしました。

鋳込み(いこみ)という石膏型にトロトロの粘土を流し込んで固める陶芸の技法についてはオランダの友人に聞いたりしたもののほとんど独学で補いました。陶芸自体がほとんど自力で習得したものなので、乾燥が不十分な磁器を焼いているときに窯の中で水蒸気爆発が起きて、骨が木っ端微塵になったなど、失敗談には事欠かない水口さん(笑)

最小限の道具で製作する

道具もミニマムで必要最低限のものしか持ちません。ほとんどのものは近くのホームセンターで手に入れます。

石膏型を並べます

石膏の型枠にヘラで均一に混ぜた粘土を流し込みます。

一時間ほど時間を置いて一部の型枠を外すと、粘土はドロドロの状態からチーズくらいの硬さになっています。ドロドロだった粘土の液体が何かの形に立ち上がっていく光景にワクワク。

バリと呼ばれる余計な部分が残っているので、それを削り取ります。今、全部の型枠を外してしまうと、ウニョっと全体が曲がってしまうので、さらに一時間ほど待ちます。

さらに一時間後、ついに型枠から骨の全貌が露わになります!これで骨のいっちょ上がり!です。

ここから約10日間の自然乾燥、素焼き、やすりがけ、本焼き、再度やすりがけなどの行程を経て、ようやく「carne vale ~肉よ、さらば~」の骨が完成!します。

材質 磁器
サイズ 長さ約240mm、重さ約340g
内容 磁器1本、レシピノート、箱入り
価格(税込) ¥5,400
支払い方法 クレジットカード・銀行振込み
送料(税込) ゆうパック:全国一律680円 / 買い物合計金額15,000円以上の場合は送料無料
発送予定 ご注文日から2週間以内
備考 ・写真の色はディスプレイの環境によって実物と若干異なる場合があります。

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